泉貨紙

泉貨紙

せんかし

天下の名品と讃えられた和紙

2枚を1枚にすることで丈夫に

『泉貨紙(せんかし)』は天正年間(1573年から1592年まで)に、現在の西予市にある野村安楽寺の僧、泉貨(せんか)がすき始めた厚紙で、2枚の紙をすいた直後に張り合わせ、1枚の紙に仕上げています。当時は屏風(びょうぶ)の丁番代わりとして、金属の丁番が買えない貧しい人たちが使っていたそうです。他の用途としては、傘や竹のざる、ふすま、経文、合羽、簿冊(ぼさつ)など。江戸時代には宇和島・吉田藩が泉貨紙を諸国に売り込み、重要な財源にしていました。また、その丈夫さから天下の名品と讃えられていたとの記述もあります。

江戸時代末期から明治初期にかけて、鬼北町上川(かみかわ)地区の畦地類吉(あぜちるいきち)が独自に改良した泉貨紙は『類吉紙』と称され高い評価を受けていました。やがてその製法が近隣に伝わり、農閑期の収入源として、広見川流域で広く紙すきが行われるようになったそうです。

保存会が伝統を継承

鬼北町における泉貨紙の最盛期は戦後にサンドペーパーの台紙として作られていた時で、現在のサイズは当時の納品規格です。やがて安価なパルプの台頭で紙すきは衰退し、このままでは途絶えてしまうと昭和60年に泉貨紙保存会を設立。平成11年からは平野邦彦さんが会長を務め、鬼北町小倉(おぐわ)コミュニティセンターで10名の会員とともに手すき和紙製造の生産技術伝承に努めています。

無漂白の楮(こうぞ)から作られる泉貨紙には数多くの工程があり、簀(す)と呼ばれる道具を使う紙すきの作業はすき手の技量が問われます。平野さんですら「息を止めながら必死ですよ。」と苦笑い。また、最後に板張りで天日干しされた泉貨紙には独特のざらっとした質感があり、とても丈夫に仕上がっています。地元の学校の卒業証書にも使われており、卒業生からも好評です。

お問い合わせ先

名称
鬼北泉貨紙保存会きほくせんかしほぞんかい
住所
愛媛県北宇和郡鬼北町上川26
電話番号
0895-47-0411

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