和釘

和釘

わくぎ

数々の文化財の修復に貢献

名工の誉れ高き白鷹さんの功績

飛鳥時代から明治時代の建築物には和釘(わくぎ)と呼ばれる、鍛造(たんぞう)による断面が四角い形状の釘が用いられていました。やがて現在使われている洋釘が主流となり、和釘は寺社建築の新築及び修繕にのみ用いられています。純度の高い鉄を原材料とする和釘は高い耐久性を誇り、千年の耐久力を目標とする奈良の薬師寺西塔、中門、回廊の再建には、白鷹幸伯(しらたかゆきのり)さんが一人で製作した7千本の和釘が用いられています。愛媛県内では松山城や大洲城の再建用和釘、愛媛県武道館の建築用金具も手がけています。

名工の誉れ高い白鷹さんの功績を称える声は後を絶たず、これまでに吉川英二文化賞をはじめ数々の賞を受賞されています。ご本人は気さくな方で「周りから見たら汚い格好をしてと言うかもしれんけど、僕はこれで満足しとるんやけん。」と、鍛冶の仕事に誇りを持っておられます。現在は「父からは粘り強さを学びました。」という息子の興光(おきみつ)さんとともに、和釘作りに取り組んでいます。

刀剣にも通じる荘厳さ

和釘は900度から1000度の炉で純度の高い鉄製の丸棒を熱し、柔らかくなったところでベルトハンマーという機械の先端に取り付けられた丸い口金で側面を叩き、断面を四角にしていきます。また、ベルトハンマーの代わりにハンマーを使用することもあります。経験を積めばある程度は形になるものの、平行四辺形やひし形になった時にそれをいかに修正するかでキャリアの違いが出るそうで、鍛冶歴20年の興光さんは「鉄は従順なようでそうじゃないですからね。」と言います。作業中の興光さんの傍らには穴台という、和釘の頭を作るための治具(じぐ)が置かれています。

洋釘との違いについて、興光さんが「西洋の釘に比べて刃物に近い。四角い角で切りながら進むという感じで、素手で触ると切れるんですよ。」と言うように、角の立った和釘はずしりと重く、刀剣にも通じる荘厳さが漂っています。そして、和釘の一つ一つから伝わってくるのは作り手の息吹そのもの。興光さんの和釘や金具は山口県岩国市の錦帯橋を改修した際にも使われています。

「数十年先の解体修理の際に、職人から笑われない仕事をすることですね。」

お問い合わせ先

名称
白鷹刃物工房しらたかはものこうぼう
住所
愛媛県松山市堀江町1069-1
電話番号
089-978-1176

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