筒描染

筒描染

つづがきぞめ

熟練の技と非凡なセンスから生まれる迫力と深み

神社幟から祭礼衣装まで

江戸時代末期の建築がレトロな風情を醸し出している地細工紺屋(ぢざいくこんや)若松旗店は文政5年(1822年)の創業で、5代目の若松智(さとし)さんが後を継いで40年になります。紺屋は江戸時代に木綿と共に普及した藍を扱う所で、いくつかに分業されます。その中でも神社の大幟り(おおのぼり)から印袢纏(しるしばんてん)など、何でも細工ができる、庶民の暮らしに根差した紺屋を地細工紺屋と呼びます。若松旗店は旗、幕、幟、五月幟、祭物、印染一切(しるしぞめいっさい)など、手染めの仕事を生業としており、八幡浜の漁業が盛んだった頃には、店で手がけた大漁旗が数多く掲げられていたそうです。

製品ができるまでの工程は、地(生地を水・湯通しする)、脱水乾燥、下絵、伸子張り(しんしばり)、糊置き、天日乾燥、染め付け(色差し)、自然乾燥、色止め、水元、脱水乾燥、縫製です。糊置きは筒描き(つつがき)とも言われる江戸時代に広まった技法ですが、県内はもちろん全国的にも少なくなりつつあります。

すべてが一点物

筒描染(つつがきぞめ)は皮のように見える筒にもち米を糊にした防染糊(ぼうせんのり)を入れ、それを絞りながら模様を描いていきます。次に天日で乾かすと、糊を置いた部分が防染され色が乗らなくなります。要するに糊で白地を残すという考え方で、印刷されたものとは出来上がった時の風合いや雰囲気はまったく異なります。同じような絵柄でも作り手の個性は如実に表れ「少しでも写実的なものになれば。」という若松さんが描く作品、例えば龍は今にも飛び出してきそうな勢いを感じます。

取材時、若松さんはタペストリーの染め付けの真っ最中でしたが、気候によって色の出方が全然違うそうです。同じデザインでも同じものは二つとなく、すべてが一点物です。また、洗って色を抜くことができないので、間違えると最初からやり直しになります。普段は温和な若松さんも作業中は真剣なまなざしで作品に臨んでおられました。

「迫力があるように、深みがあるように。限られたスペースの中で、そういうのをいかに表現できるかということですね。」

お問い合わせ先

名称
地細工紺屋 若松旗店ぢざいくこんや わかまつはたてん
住所
愛媛県八幡浜市浜之町182-2
電話番号
0894-24-0691
FAX番号
0894-24-0691

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