私のおすすめの吟行地

夏井いつき

夏井いつきなつい いつき

俳句集団「いつき組」組長

【愛南町柏坂へんろ道つわな奥展望台-あいなんちょうかしわざかへんろみちつわなおくてんぼうだい-】

【愛南町柏坂へんろ道つわな奥展望台-あいなんちょうかしわざかへんろみちつわなおくてんぼうだい-】

ここ10年にはなるだろうか、毎年「トレッキング・ザ・空海あいなん」というウォークラリーイベントでそこを訪れている。かつて空海の歩いた道、宇和島への主要道として使われたこの険しい坂道を、近年地元の方が整備し「柏坂旧へんろ路」として復活させた。全長9,8キロ、標高460メートルという急勾配の坂道を総勢100名ほどで歩くのだが、年々足腰に堪える。が、その辛さを労ってあまりあるのが中間地点にある「つわな奥展望台」からの絶景だ。手前には美しいリアス式海岸の由良半島、晴れた日には遠く九州の山並みなどが見える。やっぱり来て良かったと思わせる瞬間を味わうために毎年そこに立つ私がいる。

うみいづの村あり南風吹きわたり いつき
[住所/愛南町柏]

【愛南町高茂岬-あいなんちょうこうもみさき-】

【愛南町高茂岬-あいなんちょうこうもみさき-】
参考

愛媛の最南端・足摺宇和海国立公園に位置する高茂岬。宇和海・豊後水道に突き出た断崖絶壁の岬は迫力満点だ。整備されたいくつかの遊歩道は、海側、山側でルートごとに景色が全く違うので、句帳片手にゆっくり散策を楽しめる。

見所は秋の「野路菊」。満開の頃に行くと斜面一面の野路菊の白、青い海と空とのコントラストが鮮やかだ。もう一つの見所は「鷹の渡り」。晩秋から初冬にかけて、高い空を滑空する鷹の姿は、凛々しく美しい。最近仕入れたバードウォッチング用の双眼鏡を手に、もう一度足を運びたいポイントだ。

洞窟の中に野菊を置きにゆく いつき

俳句の出典:俳句と写真でつづる内海村「うみいづ」(内海村発行)より

▲ このページの先頭へ戻る