私のおすすめの吟行地

高石幸平

高石幸平たかいし こうへい

「柿」主宰 愛媛県俳句協会会長

【松山城-まつやまじょう-】

【松山城-まつやまじょう-】参考

十五万石の城下から仰ぐ松山城は、白壁が映える。四季それぞれに句心をそそる。

吟行地としての松山城の眞価は、種々ある上り道にある。足弱や高令の方は、麓から中腹までのロープウェイ・リフトをご利用されるとよい。台地の「長者ヶ平(ちょうじゃがなる)」に出ると天守閣が間近に見える。桜には四季の変化がある。花、葉桜、紅葉、落葉と楽しめる。石崖下の回り道も好評、小鳥の水呑場があり、各種の落葉の深さが楽しい。冬好みの方には、冬至梅、寒紅梅もおすすめ。梅越しの天守閣は乙。初夏、なんじゃもんじゃの花も咲く。

【今治市民の森-いまばりしみんのもり-】

【今治市民の森-いまばりしみんのもり-】

今治市の市街の北部(海側)には、今治城がある。この市民の森は市街の南部にある。丘陵小山が開発されて、山あり谷ありの変化に富んだ公園になっている。市民の森というだけあって交通の便もいい。自動車道の今治南ICもすぐ近くである。

池あり森あり、特にご自慢は丘陵斜面の牡丹園。これだけでも皆さんの心を引く。俳句のタネは四季を通じて豊かである。四季それぞれに豊かな花や樹、種類の多い鳥。池には鴨が来る。その池には夏、睡蓮が咲く。

近隣の市からの来訪者も多い。中には月一回の吟行句会をもう十年以上つづけている会がある。眺めも尽きぬが、俳句も尽きない。

[住所/今治市山路662-1]

【四国中央市 すすきがはら-しこくちゅうおうし すすきがはら-】

【四国中央市 すすきがはら-しこくちゅうおうし すすきがはら-】

すすきがはらは、四国中央市の西端・旧土居町にある、旧伊予三島市・川之江市が、紙の一大生産地をなしているのに対し、土居町は農業地帯である。従って田舎の中の田舎の雰囲気がある。飾り気無い。素朴というほかない。その素朴さが人を引き付ける。

飾り気が無いと書くと自慢にするものがないように見られるが、そうではない。メインは桜で、季節にはお花見が盛ん。桜が枯れるまで、四季の変化が横溢す。その間にすすきがはらの名の通り芒が見事になる。

山が近いので、鳥もよく鳴く。三光鳥も鳴く。ぶらりと立寄って、たくさん俳句が拾える、おすすめの場所である。

[住所/四国中央市土居町入野178-1付近]

【宇和運動公園-うわうんどうこうえん-】

【宇和運動公園-うわうんどうこうえん-】

南予地方の西予市宇和町にある。自動車道の開通で時間短縮された。更に近くのお山には愛媛県歴史文化博物館が立つ。一山越えれば、札所明石寺に参拝出来る。

この公園は運動公園なので、丘の上ながら野球場、陸上競技場などが整っている。この施設の間を伝う並木の眺め、川の流れが、春夏秋冬、俳人たちを楽しませてくれる。

体育施設の前面に池二つが設えられていて鴨が楽しめる。公園と背景の宇和盆地を往来する鴨の翼の音が楽しい。

いろはもみじの多い公園入口の坂道。ここから吟行をはじめて頂きたい。

[住所/西予市宇和町卯之町3丁目517]

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