すぐ行ける「東洋のマチュピチュ」 別子銅山産業遺産群を巡る

新居浜市の山間部にある別子銅山は、江戸時代から昭和にかけて銅の発掘を行い、坑道は全長700キロメートル、最深部は海抜マイナス1,000メートルにもおよび、約65万トンもの銅を産出したとされています。
また日本の近代化や新居浜市の発展に寄与しました。
大正から昭和にかけて、この場所には町があり、大勢の人が暮らしていたとされ、社宅、小学校、劇場、接待館など様々な物が建てられ大変な賑わいだったそうです。
そんな繁栄の記憶を辿る、天空の不思議な旅に出かけてみませんか?
それでは、東平(とうなる)を散策してみましょう。
まず最初に、目に飛び込んでくるのは貯鉱庫跡を上から見下ろすこの景色。
空・山・当時の重厚な建物がおりなす不思議な景色は「東洋のマチュピチュ」と言われるにふさわしい絶景が待っています。

ちなみに、東平(とうなる)の標高は約750m。マイントピア別子・本館から約11km離れた場所にありマイカーで行くことはできるのですが、道中細い山道になるので運転が苦手な人は注意してください。
ただ、そんな方は「東平行き定期観光バスツアー(3月~11月限定)」がおすすめ。
マイントピア別子・本館から、マイクロバスで現地まで、さらにガイドさんが案内してくれる、一石二鳥の便利なツアーがあります。
詳しくはマイントピア別子HPで確認してみてください。
広い園内は見所がたくさん。見逃さないよう産業遺産を巡ってみよう。

【小マンプ】
マンプとは坑道を表し「間符(まぶ)」のこと。
当時の姿そのままに現在も自由に中に入って見学することができ、
中には鉱山運搬機材が展示されています。
ツヤのあるレンガと、アーチ型の形が
今でも実にカッコよく写真を撮るにはおすすめのスポットです。
【変電所跡】
もう一つおすすめなのは、東平ゾーンを代表する産業遺産の一つ変電所跡。
水力発電所から送電されてきた電力の電圧調整と、電車用に直流変換するために設置されたものなんだとか。
渓谷遊歩道を通り、森林浴をしながらお散歩。
行き着いた子供広場には芝生が敷き詰められており、
レジャーシートを敷いてピクニックにはもってこいのシチュエーション。
周辺には第三社宅跡、火薬庫跡、大マンプ、第三通洞など
まだまだ見所満載で、のんびりした時間が過ごせます。
ファミリーで遊ぶなら、別子銅山のことを遊びながら学べる施設「マイントピア別子」がおすすめ。
観光坑道へ向かう際は、鉱山観光列車(トロッコ)に乗車します。
自然の中、風を切って走るトロッコは、ゆっくり走ってくれるので美しい景観を眺めることができ、期待感を高めてくれます。
乗車時間は約5分。1時間に3本のペースで運行しています。
観光坑道では、江戸時代〜近代に至るまでの歴史を学べたり
遊びながら学べるコーナーもたくさん。砂金取り体験も人気で大人も子供も楽しむことができます。

住所/新居浜市立川707-3
休/年中無休
電話/ 0897-43-1801
その他にも、子供が天気を気にすることなく遊ぶことができる
屋内遊技場「あかがねキッズパーク」や、別子温泉〜天空の湯〜、
お食事処やバーベキュー施設があります。
それぞれの施設では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための対応策を
しっかりと行い運営しているので、注意事項をホームページで確認してから来園しましょう。
【別子銅山記念館】
住友が開坑から閉山まで282年間一貫して経営した別子銅山。
日本はもとより世界でも例のない銅山であるため、
普通なら散逸していてもおかしくない数々の貴重な史料を見ることができます。
建物は鉱山をイメージして半地下形式になっており、全面サツキで覆われ、毎年5月には花が満開で美しい姿を見せてくれます。

住所/新居浜市角野新田町3−13
休/月曜・国民の祝日(祝日が日曜日の場合は開館)、地方祭(10月17日・18日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
電話/ 0897-41-2200
営業時間/9:00〜16:30
入館料/無料
【日暮別邸記念館】
明治39年、住友家の別邸として四阪島(今治市)に建設された「日暮別邸」。
築後110年あまりの時を経て、平成30年に四阪島を遠望できる新居浜市内に移築復元し、「日暮別邸記念館」として開館。
レトロモダンな木造2階建ての洋館であり、1階は、当時の趣や風情をそのまま残し、明治時代の雰囲気を感じることができます。また、2階は、当時あった寝室を展示室にし、四阪島にまつわる歴史などを紹介しています。
※館内は一部撮影禁止

住所/新居浜市王子町1-11
休/月曜・国民の祝日(祝日が日曜日の場合は開館)、地方祭(10月17日・18日)年末年始(12月29日〜1月3日)
電話/0897-31-5017
営業時間/9:00~16:30
入館料/無料

新居浜に根付く繁栄の歴史を知り、古に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?