長命講伊勢踊り

ちょうめいこういせおどり

南予の祭りと芸能
伊勢踊は愛媛県南予地方独特の民俗芸能です。江戸時代初期に宇和島藩主伊達秀宗の保護により伊勢信仰が広まったことで始まったとされますが、現在、八幡浜市内では穴井地区のみとなっています。神明神社にて旧暦1月11日をはじめ毎月11日に行われ、長命講と称し地元の老人が踊り、長寿を祈願します。男性の踊り手が拝殿の中央に円陣をつくり、女性は輪の中心で神前に向かって座り、唄い方に合わせて歌います。踊り手の装束は白の千早に括り袴、黒烏帽子で、白幣を付けた青竹を持ちます。奉踊歌は十二番あり、歌い方が上の句を歌い、下の句は歌い方と踊り方が唱和します。穴井の伊勢踊は明和2(1765)年に始まったとされ、穴井で盛んであった穴井歌舞伎は、この長命講伊勢踊の「和気(ワキ)踊」と呼ばれていました。江戸時代は村での歌舞伎・芝居が庶民を惑わすとして規制されており、穴井歌舞伎は「芝居」ではなく「踊り」(神事芸能)と主張し、神事性の強い伊勢踊の「脇」(付随するもの)だと言い張って歌舞伎を演じていました。
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開催期間 毎月旧暦11日
開催場所 八幡浜市穴井向山3番耕地471番地
神明神社
お申し込み先電話番号 0894-36-3040(八幡浜市生涯学習課文化振興係)
備考 県指定無形民俗文化財
実施団体 長命講伊勢踊保存会
参考文献
「八幡浜の文化財」編集委員会編『八幡浜の文化財』(八幡浜市教育委員会、2015年)