愛媛のモダン建築探訪

著名な建築家が心血を注いだレトロモダンな建築物たち

文明開化の明治期、浪漫文化の花開いた大正期、古き良き昭和期にかけて、愛媛県内にも著名な建築家の設計による優れた建築物が数多くつくられました。今に残るモダニズム建築の魅力をご紹介します。
当時最高の社交場として各界の名士が集った館
旧松山藩主の子孫にあたる久松定謨伯爵が別邸として建設した萬翠荘は、フランス生活が長かった定謨公の好みに合わせてつくられた純フランス風の洋館です。皇族方がご来県した際には必ず立ち寄られたという、建物そのものが美術品のような建築物です。
近代化の歴史を今に伝える新しいランドマーク
新居浜市の沖合20kmに位置する瀬戸内海に浮かぶ四阪島に明治39年、住友家の別邸として建てられた洋館です。明治建築の風格を伝える建物として高く評価され、新居浜市内の高台に移築。現在は「日暮別邸記念館」として公開されています。
「旧白石和太郎洋館」をはじめ、ハイカラな建造物が残る
明治期、さまざまな近代産業が栄えた八幡浜市保内地区。往時の繁栄を今に伝える建築物があちこちに残り、その代表とも言えるのが、「旧白石和太郎洋館」。繊細なレリーフで装飾され、どこを見ても見応え抜群。周囲には同じく明治期の建物が点在しているので、レトロな建物をめぐるまち歩きができます。
和の雰囲気をさりげなくまとった美しい礼拝堂
倉敷アイビースクエアを設計した浦辺鎮太郎氏がぜひにと頼み込んで設計したという礼拝堂。屋根の上にのった真っ白な鐘楼は遠くからでも目を引きます。