えひめのみかんをもっと好きに②


2024.01.29

日本農業遺産「愛媛・南予の柑橘農業システム」

愛媛と言えば!みかん! 
その「みかん」がどんなところで、どんな風に作られているのか。そんなことを考えたことはありませんか?
みかんをもっと好きになってもらえたら♪と思い、今回は日本農業遺産や産地風景などをご紹介します。

愛媛には、なんと!『日本農業遺産』があり「愛媛・南予の柑橘農業システム」が2019年2月に認定を受けました。
南予(なんよ)地域の柑橘栽培の盛んな宇和島市・八幡浜市・西予市・伊方町・愛南町 3市2町が対象地域です。

「日本農業遺産」とは、国内において重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を農林水産大臣が認定する制度です。2023年1月時点、24地域が認定されています。

認定された「愛媛・南予の柑橘農業システム」は、
・リアス式の海岸の傾斜地に広がる段々畑の景観
・長い年月をかけて受け継がれてきた独自の農法
・生産者主体の共選(共同選果場)の取り組み
・高品質かつ多種多様な柑橘栽培や地域のつながり
・農業生物の多様性や過去の気象災害からの経験 等が認定。
部員である私も柑橘生産者の一人として是非多くの方に知っていただきたいと願っています。

より親しみやすく情報に触れる機会として、愛媛県南予地域農業遺産協議会さんがInstagramを更新してくれていますので是非チェックしてみてくださいね。

えひめ南予の段々畑

八幡浜市を含む南予地域では、宇和海に面した柑橘園地の段々畑の景観が見事に広がっています。
長い年月をかけて築かれてきた石積みの段々畑は「耕して天に至る」と言われ、先人からの知恵や工夫が凝らされています。

石積みの段々畑は、急傾斜での作業の負担軽減、土壌が崩れるのを防いでいます。
また、防風垣を植え、防風ネットを張ることで、海からの塩害や強風を防ぐ工夫もされています。

佐田岬 E-BIKE ガイドツアー

八幡浜市や伊方町の海岸線に沿って広がる段々畑の壮大な景色を「E-BIKE」に乗って楽しみ、普段はなかなか体験できない収穫や園地見学を体験できるガイドツアーがあります。

「佐田岬 E-BIKE ガイドツアー」は、八幡浜・真穴(まあな)コースと伊方コースの2つ。
いよ観ネット内の記事に詳しく掲載されています。

日本農業遺産に認定された「愛媛・南予の柑橘農業システム」の舞台を満喫する一つの方法としてお勧めです。

「E-BIKE」って?

「E-BIKE(イーバイク)」というのは、スポーツタイプの電動アシスト自転車のことで、クロスバイクやマウンテンバイクに電動式アシストユニットを搭載した自転車です。

八幡浜市は道の駅みなとオアシス八幡浜みなっとの「みなと交流館」、伊方町は「佐田岬はなはな」の2か所でレンタルしています。
みなと交流館では、E-BIKE以外にも数種類のタイプの自転車があり、ママチャリや子供用自転車もあるので市内近郊の散策にも便利です。コースの提案やリーフレットもあります。
スタッフの方が実際に乗って紹介した動画やSNSもあるので、気になった方は是非お話を聞いてみてくださいね。
八幡浜市を散策する時は、マップと一緒にまち歩きのお供に「八幡浜 町並み 音声ガイド」もおすすめ♪
市民や学生さんなどボランティアの方により作成された音声ガイドは味があり、いくつかの音声ガイドは八幡浜弁になっていますよ。

産地紹介

みかんの聖地ともいわれる南予・西宇和地域のみかんを生産しているJAにしうわ管内には8つの共選があります。
中でも愛媛のみかん「御三家」とも呼ばれるみかん産地が「真穴」「川上」「日の丸」で海岸線沿いにあります。
写真は真穴(まあな)地区から市内中心部方面を撮影したものです。

四国八十八景「八幡浜市向灘の段々畑」

「日の丸みかん」の産地、向灘(むかいなだ)地区の段々畑は、みなっとの芝生広場の正面にあります。
四国らしい景観として、2018年に「四国八十八景」のひとつに選定されました。

春にはみかんの花の香り、夏は幼果や樹々の緑、冬には色づくみかんの様子と行きかう船との景色が、八幡浜の港町らしい景色と相まってとても素敵です。

内海と段々畑

八幡浜市内から南に約6Km海岸線を進むと「川上みかん」の産地、川上(かわかみ)地区があります。
穏やかな内海に面して、みかんの段々畑が広がっています。
海には養殖いかだが浮かび、急傾斜地の広がるみかん畑の景色は国道沿いから見ても、山頂の見晴らし台から見ても壮観です。
数々の受賞歴のある川上地区は1996年(平成8年)に天皇杯を受賞しています。
「越冬袋掛・小太郎」のファンも多いです。

ねずみ島

川上地区から更に国道沿いに南に行くと「ねずみ島」があります。
小さな小島ですが、潮が引くと陸とつながり、エンジェルロードが現れます。
その潮が引いた時の様子が、島の形と相まってねずみのしっぽに見えます。

潮の満ち引きで見える島の姿を楽しんでみてくださいね。
潮が引くと

みかんの里

130年以上の歴史のある真穴地区の「真穴みかん」は1964年(昭和39年)にみかん産地で日本初となる天皇杯を受賞しました。
みかんに赤いシールが美味しさの目印です♪

先人からの歴史や日々の農作業、時代に沿った工夫を経て、愛媛の柑橘産地や農家さんは日々頑張っています。

日本農業遺産にも認定されている愛媛・南予の柑橘や産地の本来の魅力が県内外にさらに伝わると嬉しいです。

 

真穴風景

真穴の農繁期の風景です。

海と山と自然と

国道378号線の景色は海と空と毎日違う自然の色が広がります。
九州に向かうフェリーや漁船が行きかう様子や夕焼けの時間帯、空の広さのぜいたくさにうっとりと時間を忘れそうになります。

海岸線沿いは道が拡幅整備が進んだところもありますが、まだ細い場所も多いのでサイクリングなどの際は安全運転でお出かけください。

みかんオブジェ

八幡浜の年末年始の風物詩となってきている「みかんオブジェ」
期間限定の本物のみかんで作られた「みかん」です!

2023年度はクリスマスオレンジのイベントのあった12/23から年明け1/8までの展示で、夜間はライトアップもされていました。
年末年始には、道の駅みなっとを訪れた沢山の方のフォトスポットとしても大活躍。
楽しそうに写真を撮る姿が見られました。八幡浜、南予地域の柑橘、日本農業遺産のことを知ってくださる方が増えるとうれしいです。

みかんや産地がもっと身近に

柑橘が店頭や手元に届くまでには、農家さんをはじめ沢山の方の協力や想いがつながっています。
みかんや産地が何かの形でもっと身近になると、みかんの味わいもまた違ってきます。

えひめの柑橘たちを手にするとき、農家さんやアルバイターさんたちの笑顔、海と段々畑の景色が少しでも届きますように。

柑橘王国百景

2022年に八幡浜市役所【八ちゃんねる】さんが、真穴地区をドローンで撮影した動画が公開されました。
みかん産地の上空からの景色も是非堪能してみてください。
収穫期や共選内の様子もご覧いただけますよ。

この記事を読んでくださった方が、昨日よりもっと柑橘を好きになってくれますように♪
①の記事にもみかん愛をつづっています。どうぞ併せてごらんください(^^)
ひめ旅部の ちょこ☆です

ひめ旅部の ちょこ☆です

愛ある愛媛のみかん農家。
農作業の傍ら、カメラを片手にみかん産地やえひめのいいところ探しをライフワークにしています。
日々の中にちょこっとみかん色の幸せが届きますように♪

◇Instagram
@nijiiromikan11