まずは、お遍路の基本を知っておこう

愛媛の26霊場

「お遍路」とは、約1200年前に弘法大師(空海)が修行した88の霊場をたどる巡礼のことで、お遍路する人のことを「お遍路さん」と呼びます。巡礼の旅は徳島からはじまり、高知、愛媛、香川の順にめぐるもので、世界的にも珍しい「回遊型」の参拝ルートが特徴です。その道のりは約1400kmにも及び、すべての札所を巡拝することで願いが叶ったり、弘法大師の功徳を得られるといわれています。最近は参拝する目的も多様化していて、健康祈願や近親者の供養、健康増進、自分探しの旅など、人によって実にさまざま。地元の人の笑顔やあたたかいもてなし「お接待」も魅力のひとつで、四国遍路ならではの風習に心が癒されます。
回り方、順番は自由
お遍路の巡拝方法はこれといった決まりはなく、どこから始めても、一度にすべてめぐらなくても大丈夫です。1番から番号順に参拝することを「順打ち」といい、これがオーソドックスなめぐり方。88番から反時計回りにめぐることを「逆打ち」といい、うるう年にめぐると順打ちの3回分にあたるご利益があるといわれています。一度で全札所をめぐることを「通し打ち」、何回かに分けてめぐることを「区切り打ち」、また1県ずつ区切り打ちすることを「一国参り」といい、現在は「区切り打ち」で参拝する人が圧倒的に多いです。時間や体力に合わせて、自分のペースで参拝に出かけましょう。
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お遍路用語を知っておこう

お遍路用語を知っておこう

札所の由来とは

お遍路で参拝する88ヶ寺のことを「札所」と呼び、札所をめぐることを「打つ」と言います。その昔、巡礼者が自分の氏名や住所を書いた木札を寺院の柱に打ち付けたことが、名前の由来になっています。

自分に合った移動方法を選ぼう
歩いて巡礼する「歩き遍路」がお遍路の原点ですが、現在は、歩きはもちろん、車や自転車、タクシー、ツアー会社主催の巡拝バスなど、さまざまな方法で巡礼することができます。一区間を歩いて、そのほかをタクシーで移動するなどの組み合わせも可能です。
白衣、袈裟、金剛杖などが基本
正装はもちろんありますが、服装については基本的に自由。カジュアルな普段着、動きやすいアウトドアな服装でも大丈夫です。しかし、多くのお遍路さんは、白衣、袈裟、金剛杖など最低限の衣装を身に着けており、これらをまとうだけで、自然と気持ちが引き締まります。同時に、地元の人からもお遍路さんとして受け入れてもらえます。巡礼用品は、各札所やその周辺の売店、インターネットでも購入可能です。
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基本の服装はこちら

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お遍路スタイル

●菅笠(すげがさ)・・・昔ながらの風流な竹笠。弘法大師を意味する梵字を正面にかぶりましょう。
●白衣(はくえ・びゃくえ)・・・お遍路さんの正装で、背中に「南無大師遍照金剛」の文字が入ります。袖なしタイプもあります。
●輪袈裟(わげさ)・・・首から掛ける略式の袈裟で、札所で参拝する時には必ず身に着ける霊場参拝の正装具。
●金剛杖(こんごうづえ)・・・弘法大師の分身といわれ、不浄な場所には持ち入らず、休む際は杖の先を洗いましょう。
●頭陀袋(ずだぶくろ)・・・経本、収め札、数珠などお遍路用品を入れカバン。さんや袋とも呼ばれます。

7つの手順で参拝を
忠実に再現することよりも、心を込めて参拝することが何より大切です。納経所の受付時間は札所によって異なりますが、基本的に7~17時。春と秋、日曜・祝日、GWなどの連休は参拝者が増えるため、納経受付に時間がかかることも。時間に余裕をもって参拝に訪れましょう。

1)山門で一礼・・・境内に入る前に、感謝を込めてまずは一礼。菅笠以外の帽子は脱ぎ、敷居を踏まずにまたぐのがマナー。
2)手水舎(てみずや)で心身を清める・・・手を洗い、口をすすぎ、参拝前に清浄な心身に清める。
3)鐘楼堂で鐘を撞く・・・鐘をゆっくりと1回撞く。帰りに撞くと縁起が悪いといわれている。※鐘楼の鐘は自由に撞ける札所のみに限る。近所の迷惑にならない時間帯に撞くように。
4)本堂に参拝・・・ろうそくと線香(3本)をあげ、納札を納札箱に入れる。お賽銭を納めて拝礼し、お経(読経、写経等)を奉納する。
5)大師堂に参拝・・・大師堂とは、弘法大師を祀るお堂のこと。本堂と同様の手順で参拝を。
6)納経所で御朱印をいただく・・・納経帳に御宝印(御朱印)をいただく。納経料は300円。各札所のご本尊の絵姿が印刷された御影(おみえ・おすがた)も授かる。
7)山門で一礼・・・1)と同様の手順・マナーで一礼を。
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参拝時の必需品

参拝時の必需品

現地でも調達可能です

参拝時に必要なものをご紹介。現地でも調達可能で、伊予鉄道松山市駅に隣接する「まつちかタウン」内にある「いよてつ巡拝センター」では、お遍路用品を一式取り扱っています。

●納経帳・・・各札所で納経の証として納経所で御宝印をいただくための帳面。納経軸や納経用白衣も同様。
●納札(おさめふだ)・・・各札所の本堂と大師堂の2箇所の納札箱に納めるお札。道中に接待を受けた際の御礼にも使用する。
●経本(きょうほん)・・・本堂と大師堂で読経する際に読経し奉納するために欠かせないもの。
●数珠(じゅず)・・・四国霊場巡拝では一般的に真言宗用の数珠が多く使われているが、自身に宗派の数珠がある場合はそれを利用しても問題ない。