石鎚山を御神体とする石鎚神社

山裾の本社から頂上社まで4社が鎮座

石鎚山を「神しずまります山」とする石鎚神社は、所願成就の神として知られています。山麓から山頂にかけて本社、成就社、土小屋遥拝殿、頂上社の4社が鎮座しており、この4社を総称して石鎚神社といいます。信者や地元の人をはじめ全国各地から参拝客が訪れ、「願い事成就」のパワースポットとしても人気です。
古木茂る境内に荘厳な朱塗りの本殿
JR石鎚山駅から歩いて10分ほど、西条市側の石鎚山麓に鎮座する口之宮 本社。広い境内に荘厳な雰囲気を漂わせる朱塗りの本殿、天保2(1831)年に再建された「祖霊殿」、歌碑が点在する庭園「文学の森」などがあります。古木が茂る豊かな緑と、椿、桜、藤、紅葉など四季の花々が、参拝に訪れた人々の目を癒してくれます。本殿は境内の高い場所にあるので、西条市街を一望でき、瀬戸内海も見える眺望が広がります。
開山にまつわる伝説が残る地
石鎚山7合目、石鎚登山ロープウェイの山頂成就駅から歩いて20分ほど、標高1450mの地に鎮座。中宮 成就社には、霊峰石鎚山を開山したといわれている役行者にまつわる伝説があります。頂上を目指していた役行者が、あまりの厳しさに諦めて下山しようとしていた時、斧を研ぐ老人に出会います。老人が斧を針にしようとしているのを聞き、「途中で諦めてはいけない」と修行に戻り、頂上へ登り着きました。成就社まで下山してきた役行者は山頂を仰ぎ、「わが願い成就せり」と言ったといい、これが成就社の名前の由来となっています。役行者が山頂を見返した、といわれる場所には見返遥拝殿が建立されており、ここでは石鎚山を正面に遥拝できます。石鎚山登拝の拠点で、参道沿いには数件の旅館も。10月にはもみじまつりが行われます。
石鎚スカイラインの終点に鎮座
久万高原町側、石鎚スカイライン(通行期間は4~11月、7時~18時)の終点、標高1500mの地に鎮座。石鎚山登拝の拠点で近くにロッジやレストハウスが並び、周囲にはウラジロモミの原生林が広がっています。石鎚スカイライン沿いにある眺望ポイントでは、最高峰の天狗岳や名瀑・御来光の滝などを眺めることができます。
お山の天辺に神社と山荘
石鎚山には山頂がいくつかあります。「最高峰」と言われているのは、標高1982mの天狗岳。奥之宮 頂上社は、天狗岳の手前に位置する弥山の頂上に鎮座しています。ここには「仁」「智」「勇」の3つのご神徳を表す3体の御神像が祀られています。5月1日から11月3日の間は、御神像に直接触れご神徳を授かる特殊神事を受けることができます。目の前に天狗岳を望み、そこに広がるのは360度の絶景。晴れていれば、四国山地の山々や瀬戸内海、太平洋、遠く九州まで見渡すことができます。雲が下から湧き出て山頂が空に浮かんでいるように見える神秘的な景観や、夕日に染まる神々しい山容に出会えることも。山荘に1泊し(5~11月、予約制)、夕日や星空、御来光など特別な景色を楽しむ時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。