愛媛の句碑めぐり575

新居浜市

大露頭赭くてそこは雪積まずだいろとうあかくてそこはゆきつまず

山口誓子ヤマグチセイシ

「大露頭」は、元禄3年に発見され、別子銅山開坑の緒(いとぐち)となった、露頭焼け(「焼け」とも言われ、地表に露出している鉱床が酸化したもの)のこと。昭和32年2月、誓子は住友鉱山の招きで新居浜を訪れ、15日、雪の旧別子へ吟行した。誓子はこの句について、「山上は雪に覆われていたが、一部に赭い地面・大露頭を見つけた。しばらく見ていると、地下の鉱脈が見えてきた。そこに雪が積もっていないのは、鉱脈の鉱気がそこに赭く凝(こご)っているからなのだ。これを詩因として、この句は出来た。」と述べている。旧別子を詠んだ句中の代表句である。昭和45年、現在の事務所に移設された。会社敷地内にあるため、見学はできない。 ※写真提供:住友金属鉱山㈱別子事業所。本写真の無断転用をかたく禁止します。

句碑データ

住所
西原町3-5-3 住友金属鉱山㈱別子事務所・前庭
建立年
昭和34年4月
建立者
住友金属鉱山㈱

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